卒業式直前、命を懸けた「二人一組」デスゲーム開幕──友情か裏切りか。手を繋がなければ死ぬ女子高で、真実と嫉妬が交錯する極限の青春ミステリー。
卒業式を目前に控えた私立白百合女子高校の三年A組。誰もが、あと数日で解き放たれる未来に胸を踊らせていた。だが、そこへ突如として現れた謎の声──「二人一組になり、手を繋いで卒業式当日の朝まで離れるな。違反者は即、命を失う」──。
教室のプロジェクターに映し出された無慈悲なルールは、いつしか“特別授業”──そう呼ばれるデスゲームの始まりを宣告していた。
- 崩壊するクラスの序列
かつては学年トップの成績を誇った委員長コンビも、人気者のサッカー部マネージャーも、クラスのカースト上位として君臨していた。だが“パートナー選び”の段階で“本音”が露見し、親友同士だった二人が互いを突き放す光景も珍しくない。
友情を盾に安泰だった生徒たちは、自らの立場を守るために裏切り、策略を巡らせる。手を繋ぐ相手が“死の契約”なのか“最後の味方”なのか――不安と猜疑心が、教室中を凍り付かせる。
- 裏切りと嫉妬の果てに
主人公・星野美咲(18)は、小学校からの幼馴染・西園寺凛(18)と組みたいと願うが、凛は学園一の美女・越智彩花(18)とペアを組んだという噂を耳にする。美咲は嫉妬に胸を締め付けられながらも、クラスの“ダークホース”で無口な転校生・武田優斗(18)と組むことを選択。
しかし、優斗の瞳にはどこか冷たい光が宿り、二人でいると胸騒ぎが止まらない。凛と彩花はどんな秘密を抱えているのか? 誰が味方で誰が敵か、次々に明かされる思惑に、美咲の心は揺れ動く。
- 真実を手にするための選択
夜の学校を舞台に繰り広げられる追走劇。廊下の窓から吹き込む冷たい風、非常ベルの幻鳴、鳴り響く教室のチャイム。手を繋いでいなければ、突然襲いかかる痛みと意識の遠のき──死の恐怖がすぐそこにある。
美咲と優斗は、クラスメイトの秘密を探るうちに、さらに大きな陰謀に気付く。「誰か」が裏から糸を引き、卒業式当日に向けて密かな計画を進行中だったのだ。真相を暴き、クラスを救うには、互いの手を信じるしかない。
- 手を取り合う青春の極致
本作は、『みんな蛍を殺したかった』の著者・中野知遙が贈る、友情と裏切り、嫉妬と憧れが交差する青春サバイバル。過酷なゲームを通じて、少女たちは“本当の友達”とは何か、“信じ合う”とはどういうことかを思い知らされる。
そして迎える卒業式当日の朝。クラスの誰もが手を繋ぎ合い、涙と笑顔を抱えて体育館に集う時、真の“絆”が生まれる――それは命を懸けた先にしか見えない、新たな未来への一歩だ。
こんな方におすすめ
- 女子高生のリアルな友情ドラマとサスペンスを味わいたい方
- サバイバルゲーム形式の青春ミステリーが好きな読者
- 裏切りと絆の狭間で揺れるキャラクター描写に引き込まれたい方
- 緊迫感あふれる展開と、ラストの感動を求めるすべての人