【京極堂スピンオフ】昭和23年、怪異と謎が蠢く東京へ!『中禅寺先生物怪講義録』仏頂面の新任講師が全てを解き明かす新感覚ミステリ!

「世の中に不思議なことなど何もない」――中禅寺先生の秘密の講義録が今、開かれる!
戦後の混沌とした空気が残る昭和23年、東京。人々の心に怪異や迷信が根強く残る時代を舞台に、あの伝説的なシリーズの主人公が、若き日の姿で登場する公式スピンオフ作品が、この『中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。』です。
物語の主人公は、新制高校の二年生に進級した日下部栞奈(くさかべかんな)。彼女が出会ったのは、国語の新任講師であり、常に仏頂面でミステリアスな雰囲気を纏う中禅寺秋彦でした。彼の名は、熱心なミステリファンにはお馴染みの、稀代の探偵にして古本屋「京極堂」の店主です。
<h4>怪異の裏に潜む「人の心」</h4>
栞奈の周囲では、まるで時代に取り残されたかのように、怪異にまつわる奇々怪々な事件が次々と発生します。学校の七不思議、誰も触れていないのに動くもの、不可解な失踪事件…。科学や論理では説明できない現象に遭遇し、怯える栞奈が助けを求める先は、ただ一つ。中禅寺先生が待つ、図書準備室です。
京極堂シリーズの根底にある「憑き物落とし」の要素はそのままに、本作では教師と生徒という関係性が加わることで、さらに新鮮な視点から物語が展開します。仏頂面で何を考えているか分からない中禅寺先生ですが、怪異を前にすると、その博識な知識と卓越した論理を駆使し、事件の裏に隠された「人の心」の機微を読み解いていきます。
彼が示すのは、怪異そのものが真実ではないということ。「不思議な現象」を人々がどう捉え、どう意味づけ、それがどう事件に結びつくのか、そのロジックを「講義録」として読者に提示してくれます。
仏頂面の下に隠された優しさ
本作の魅力は、若き日の「京極堂」の姿を堪能できる点にあります。まだ古本屋を営む前、高校教師として教壇に立つ中禅寺秋彦。その仏頂面と冷静沈着な態度の裏側には、困っている生徒を見過ごせない優しさや、真実を求める知的な探求心が垣間見えます。
栞奈が持ってくる一見、迷信じみた事件に対し、中禅寺先生がどのように論理を積み重ね、そして最後に「謎を解いてしまうから。」こそ、読者は強烈な爽快感と感動を得ることができます。
京極堂ファンはもちろん、本格ミステリや、ちょっと不思議な昭和ノスタルジーを感じたい読者にも強くおすすめできる一作です。さあ、あなたも栞奈と一緒に、仏頂面の中禅寺先生が解き明かす物怪の講義に耳を傾けてみませんか。






















