地縛霊の願いと不思議なお宝が導く、謎解き青春アドベンチャー！ 騙し合い渦巻く孤島で、 高校生が挑むお宝争奪戦と殺人事件の真実： 「七々々コレクション」を巡る、痛快な頭脳戦が今、開幕！
父に勘当され、単身で人工の学術研究都市「七重島」へとやってきた高校生、八真重護。彼が新たな生活を始めた安アパートの自室には、一人の美少女の地縛霊が住み着いていました。彼女の名は、龍ヶ嬢七々々。彼女は10年前に何者かに殺害され、今もなお、その部屋に縛られているのです。
この設定を聞いただけで、この物語が持つミステリアスでファンタジックな魅力に引き込まれるのではないでしょうか。重護は、自らの部屋の居候である七々々を成仏させるため、彼女を殺害した犯人を見つけることを決意します。
その手がかりとなるのが、七々々が生前、世界中から収集し、島中の「遺跡」に隠した「七々々コレクション」と呼ばれる不思議な力を持つお宝群です。これらのコレクションの力を利用すれば、事件の真相に近づくことができる。この目的のため、重護は島の冒険部に入部し、壮大な宝探しの旅へと踏み出します。
私がこの作品を読んで、最も魅了されたのは、「探偵ごっこ」では終わらない、緊迫したお宝争奪戦のリアルさです。七々々コレクションを狙っているのは、重護だけではありません。島の学生や研究者、さらには裏社会の人間まで、ひとくせもふたくせもある「プレーヤー」たちの思惑が複雑に絡み合い、物語は一瞬たりとも目を離せない騙し騙されの頭脳戦へと発展していきます。
コレクションの眠る「遺跡」は、それぞれが複雑なギミックと、持ち主の強烈な個性を反映したトラップで満たされています。重護は、自らの機転と仲間との協力、そして七々々の情報提供を頼りに、時には命の危険を冒しながら謎を解き明かしていきます。この緊迫感あふれる謎解きのスリルこそが、読者をページから離さない大きな要因です。
重護と七々々という、肉体を持つ者と持たない者のコンビネーションも非常に魅力的です。物理的な手助けはできなくとも、七々々は自らの過去の記憶や、事件の手がかりを重護に提供し続けます。二人の間に育まれる絆は、時に切なく、時にコミカルで、物語に温かい情感を与えています。
この物語は、失踪した母、過去の殺人事件、そして島を巡る陰謀など、いくつもの謎が多層的に織りなされており、単なる宝探しアニメではない奥深いサスペンスを堪能できます。「七々々コレクション」が持つ不思議な力と、それに群がる人々の欲望が生み出すドラマは、あなたの知的好奇心と感情を強く揺さぶるはずです。