どんな いろが すき (あかちゃんといっしょ0・1・2 30) 大人から子どもまで幅広く知られている童謡「どんないろがすき」を絵本化。クレヨンが登場し、「赤」や「青」などから連想されるものを描きます。子どもたちの色への興味を高める一冊。

ある日のこと、小さな町の図書館でひときわ輝く一冊の絵本が棚に並んでいました。その表紙には、大きく「どんな いろが すき」と書かれ、下には「あかちゃんといっしょ0・1・2 30」と、昔から大人も子どもも親しんできたあの童謡「どんないろがすき」に思いを馳せるかのような温かいタッチのイラストが描かれていました。

物語は、ある元気な男の子・りくと好奇心旺盛な女の子・みずきが、図書館でこの不思議な絵本を見つけるところから始まります。二人がページをめくると、そこには色とりどりのクレヨンたちが勢揃いしていました。クレヨンたちはまるで生きているかのように、にっこり笑ってりくとみずきを迎え入れました。

「さあ、一緒に色の世界を冒険しよう!」と、元気な赤いクレヨンが声をかけます。赤いクレヨンが描くのは、真っ赤なりんごや情熱の炎、そしてハート形の笑顔。次に、青いクレヨンがゆったりと登場し、広い青空やキラキラ光る海、夢いっぱいの風景を描き出します。黄色や緑、紫やオレンジ―それぞれのクレヨンは、自分の色が持つ魅力を存分に表現し、童謡のリズムに合わせてページごとに物語を織りなしていきました。

りくとみずきは、ページをめくるたびに新しい色の世界に出会い、クレヨンたちの案内で「この色はこんな素敵なものを思い出させるんだね!」と目を輝かせながら、色と形、そして物語のつながりを学んでいきます。クレヨンたちが描くのは、ただ単に美しい風景や物だけではなく、子どもたちが自分自身で感じ、想像する力を育む魔法のような瞬間そのものでした。

created by Rinker
¥770 (2025/06/15 10:30:39時点 Amazon調べ-詳細)

絵本「どんな いろが すき」は、懐かしい童謡「どんないろがすき」をベースにしながら、現代の子どもたちに新たな感動と学びを届ける工夫が詰まっていました。大人が子どもの頃に口ずさんだあの歌の思い出と、今まさに新たに芽生える色彩への興味が、ページの中で美しく融合していたのです。親子で一緒に読みながら、クレヨンの色彩がどんなに世界を明るく彩るかを実感できる―そんな温かく、そして遊び心あふれる一冊は、読み終える頃には誰もが笑顔になる、心温まる冒険の物語でした。