知られざる世界の闇と光。国立民族学博物館が誇るコレクションで巡る『世界の呪術と民間信仰』。呪物、護符、秘儀…人間が祈り、恐れ、そして願った痕跡をたどる、禁断の探求書がここに。
見えない力、信じる心、そして祈りの形――。
科学技術が発達した現代においても、世界各地には、人々の生活に深く根ざした「呪術」や「民間信仰」が存在しています。それは、病気を治すための呪いであり、豊穣を願う祈りであり、あるいは災いを遠ざけるための護符でもありました。
『世界の呪術と民間信仰: 国立民族学博物館コレクション』は、日本が誇る国立民族学博物館が長年にわたり収集してきた、世界各地の貴重な呪物や信仰にまつわる資料を、高精細な写真とともに紹介する、他に類を見ない一冊です。
この本を開けば、あなたの目の前に広がるのは、単なる美術品や工芸品ではありません。そこには、かつて人々が抱いた、切実な願いや深い恐怖、そして、見えない力への畏敬の念が、そのままの形で閉じ込められています。
たとえば、アフリカの部族が病を癒すために使ったとされる神秘的な仮面。南米のシャーマンが儀式に用いたとされる呪物。そして、私たち日本人にも馴染みのある、お守りや縁起物。本書は、これらの資料を、その背景にある文化や物語とともに丁寧に解説しています。
私たちは、呪術や信仰と聞くと、どこか非科学的で、遠い世界の出来事だと考えがちです。しかし、この本を読み進めていくうちに、それらが、人間が生きる上で避けられない不安や苦悩と向き合うために、いかに大切な役割を果たしてきたかを理解するでしょう。
病を治したい、家族を守りたい、幸せになりたい――。時代や文化を超えて、人々が抱いてきた普遍的な願いが、呪物や儀式の形となって現れているのです。
本書の魅力は、その学術的な価値だけにとどまりません。呪物の持つ、どこか不気味でありながらも、人を惹きつけてやまない造形の美しさ。護符に込められた、素朴で力強いデザイン。それらは、私たちに新しい美の感覚を与えてくれます。
また、国立民族学博物館が所蔵する膨大なコレクションの中から、特に貴重で、興味深いものを厳選しているため、この一冊で、世界の多種多様な信仰の姿を俯瞰することができます。それぞれの資料が、どのような文脈で生まれ、人々の生活にどのように関わってきたのかを知ることで、私たちは世界への理解を深めることができるでしょう。
『世界の呪術と民間信仰』は、単なるビジュアルブックではありません。それは、私たちが普段目にすることのない、人間の心の奥底に潜む、本能的な部分をのぞき見る、スリルと発見に満ちた旅へと誘うガイドブックです。
科学では説明できない世界の美しさと、人間の根源的な願いを、この本を通して感じてみませんか?