「警視庁公安J〈マークスマン〉――狙われた総理、傭兵仕込みのスーパーヒーロー小日向純也が挑む狙撃事件。凶弾に倒れた公安部長をめぐる緊迫の公安ドラマ、驚愕の真相が明らかになる衝撃の文庫第一弾！」

鈴峯紅也による人気シリーズ『警視庁公安J マークスマン』（徳間文庫）が、スリリングな公安小説の幕を開けます。本作は、警視庁公安部庶務課に設置されたエリート特殊部隊「公安J」、そしてその頂点に立つ小日向純也の手に汗握る活躍を描きます。純也は、並外れた身体能力、傭兵としての海外経験、さらに巨額の財力を有する――まさに公安界の「スーパーマン」。

🕵️‍♂️ 緊迫の事件発端：観閲式での狙撃

物語は、自衛隊観閲式の最中、警視庁公安部長・長島が凶弾に倒れるという衝撃の事件で幕を開けます。この式にはドイツ駐在の武官が同行しており、総理大臣（＝純也の実の父）もいたことから、事態は一気に国際政治の緊張感を孕んで展開します。

🎯 主人公・小日向純也：究極の公安戦士

主人公の小日向純也は、語学と交渉術にも長けており、日本国内に張り巡らした広範なネットワークと資金力を背景に、公安Jを指揮します。「公安J」は単なる部署ではなく、“庶務課分室”という仮面をかぶった特別室。純也は国家の安全と真実を求め、敵の動機を読み解こうと奔走します。

🧩 読みどころ：駆け引きと心理戦、伏線の網

本作の醍醐味は、単なる銃撃事件の捜査に留まりません。社交界で交わされる“国際的な交渉”の裏側、スナイパーによる“ゲーム感覚”の殺し屋の存在など、読み進めるほどに現れる多層構造の陰謀。読者は公安の暗部、政府の黒塗り資料、国家間の情報戦を巧みにミックスしたインテリジェンス・エンタメに引き込まれます。

✅ 文庫版の魅力と読みやすさ

文庫版は約396ページと厚みがありながらも、鮮やかに描き出されるアクション描写と、余裕すら感じさせる緻密な構成に引き込まれること間違いありません。若干の外国語登場シーンへのカタカナ表記への違和感を指摘する声もありますが、それさえも“リアルな公安現場の翻訳感”として受け止められる懐の深さも本作の魅力といえます。

🌟 読者レビューより

読者からは、「小日向純也というヒーローを安心して追える」との声や「密度の高さゆえ一気読み確定」との評価が寄せられています。一方で、「カタカナ交じりの会話文が読みにくい」との指摘もあり、そこが気になる場合は電子版での読みやすさ比較も一興です。