【オカルティズムの名著、2冊同時復活!】ヴィジュアルで解き明かす秘術と神秘の世界。『図説 錬金術』、『図説 魔術と秘教』、6月24日に発売。

株式会社河出書房新社(本社:東京都新宿区 代表取締役:小野寺優)は、吉村正和著のふくろうの本シリーズ『図説 錬金術』、『図説 魔術と秘教』を2024年6月24日に発売します。日本における近代ヨーロッパ文化史、西洋神秘思想史の泰斗が豊富な貴重図版を網羅し、その歴史と理論から科学技術の推移、そして人間の精神性に迫る名著です。

(『図説 錬金術』は2012年1月刊行の同タイトルの新装版、『図説 魔術と秘教』は2013年9月刊行の『図説 近代魔術』の改題新装版です)

実験室、12の操作、賢者の石、四大元素、赤い王、伝説の錬金術師、密儀の手――。これら錬金術にまつわる用語は、長く人々の想像力を刺激してきました。現代でも「錬金術」を冠した創作作品は多く、漫画やアニメーション、ゲームの世界にも広く浸透しています。

しかし錬金術は、その発展の歴史の中では創作にとどまらず、科学発展の原動力ともなりました。さらに発展の背景には大航海時代にもたらされた金への情熱と欲望があったのです。

一方の魔術にもやはり、宗教改革以降のキリスト教の影響力の衰えや、産業革命以降の物質主義の反動など歴史的背景がありました。カバラーや占星魔術、錬金術が発展したルネサンス期を経て、その後、フリーメイソンからイギリス神智学協会、ヘルメス協会、黄金の夜明け教団や薔薇十字団と組織化していくことで最盛期を迎えた魔術にも、オカルトでは語れない大きな世界史上の変化の影響があるのです。

それらを踏まえながら、錬金術や魔術の歴史と実践を詳細に解説し、それぞれのエッセンスを抽出、まとめた名著が本書、『図説 錬金術』と『図説 魔術と秘教』です。著者の吉村氏は、単なるオカルトととらえられがちなこれらのテーマを、思想史、世界史に位置付けながら検証できる数少ない書き手であり、魔術本市場が活況な現代に、あらたな視点を投げかける一冊となるでしょう。

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河出書房新社
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■『図説 錬金術』目次より

第一章   錬金術の基礎技術

1産業と錬金術/2錬金術の実験室/3大いなる作業/4『沈黙の書』/コラム①錬金術の基本用語

第二章   錬金術の歴史

1アラビア錬金術の登場/2中世修道院における実践/3ルネサンス魔術とパラケルスス/4錬金術都市プラハ/5薔薇十字錬金術/6化学派の錬金術/コラム②中世修道院における実践/コラム③伝説の錬金術師/コラム④王侯貴族に仕える錬金術師/コラム⑤神に祈る錬金術師/コラム⑥フランドルの錬金術師

第三章   錬金術の理論と実践

1ヘルメス・トリスメギストスの「エメラルド板」/2錬金術の象徴と記号/3調和する宇宙/4錬金術の実験/5アンチモンと緑ライオン/6赤い王と賢者の石

第四章   ロマン主義からモダニズム芸術へ

1ベーメのキリスト教神智学/2ロマン主義と錬金術/3モダニズム芸術と錬金術/4『ロスト・シンボル』の「密儀の手」/コラム⑦武器軟膏と音楽

*錬金術史略年表ほか

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■『図説 魔術と秘教』目次より

第一章 古代魔術からルネサンス魔術へ

1古代密儀宗教とキリスト教/2ヘルメス思想とカバラー/3ルネサンス魔術の総合/コラム①ボッティチェッリの「春」と護符魔術/コラム②「魔術暦」の護符

第二章 一九世紀のエソテリシズム

1占星術と魔術の流行/2ウィリアム・ブレイクの「幻視による肖像」/3ケネス・マッケンジーの人脈/コラム③ブレイクの『「ヨブ記」イラスト』/コラム④マッケンジーの宇宙図

第三章 黄金の夜明け教団の登場

1イギリス神智学協会とヘルメス協会/2暗号文書と新教団の創設/3黄金の夜明け教団の発展/コラム⑤ハルトマンの宇宙図/コラム⑥イギリス薔薇十字協会と黄金薔薇十字団

第四章 黄金の夜明け教団の儀礼と象徴

1儀礼を創作するマグレガー・マザーズ/2黄金の夜明け教団の儀礼とシンボリズム

第五章   市民の魔術

1女性の魔術師たち/2ウィリアム・B・イェイツの魔術/3黄金の夜明け教団の終焉/コラム⑦漱石と熊楠のロンドン

第六章   モダニズム芸術と魔術

1モダニズム芸術の非形象化/2マルセル・デュシャンの「自転車の車輪」/パウル・クレーの「新しい天使」/4アンドレイ・タルコフスキーの『ストーカー』

*近代魔術略年表ほか