ひとりで あしぶみ していたら (おやこでよもう!金子みすゞ)おとなとこどもが一緒に楽しめる、金子みすゞ童謡絵本シリーズ。みすゞファンを公言する人気絵本作家きくちちきが、表題作「あしぶみ」をはじめ「こだまでしょうか」「さくらのき」など10編の詩をのびやかな

桜の花びらがふわりと舞う春のある日、小さなゆいは家の庭先に立っていました。彼女は「ひとりで あしぶみ していたら」という不思議な響きを胸に、一歩一歩、自分だけの道を踏みしめ始めました。小さな足音は、やがて庭の隅々に広がる自然のリズムと溶け合い、風がやさしく耳元で囁くように感じられました。

そんなとき、いつもそばで見守ってくれるお母さんが、手に一冊の本を抱えてゆっくりと近づいてきました。その本こそが、金子みすゞの優しい言葉が綴られた「ひとりで あしぶみ していたら (おやこでよもう!金子みすゞ)」でした。お母さんは、ゆいに「一緒に読もうね」とにっこり微笑み、二人でベンチに腰を下ろしました。

ページをめくるたびに、ゆいは自分が歩む小さな冒険と、本に描かれる詩の中の勇気ある足取りが重なっていくのを感じました。詩は、ひとりで歩むことの大切さや、自分自身で未来を切り拓く強さをそっと教えてくれるとともに、同時にお母さんとの温かな絆が、どんな道のりも明るく照らしてくれるという希望を伝えていました。

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庭先の花々が風に揺れる中、ゆいは自分の小さな足で一歩踏み出すたびに、どこか遠い世界へ旅立つ夢を見ました。そして、お母さんと一緒に詩を読むその時間は、二人の心にしっかりと刻まれ、未来への道しるべとなったのです。

この物語は、「ひとりで あしぶみ していたら」がただの詩集ではなく、ひとりで歩み出す勇気と、家族と共に分かち合う温かな瞬間の大切さを伝える、まるで一編の優しい物語のような存在であることを、私たちにそっと教えてくれます。