メダリスト第14巻。フィギュアスケートに命を懸ける結束いのりと司の師弟が挑む、胸を熱くする氷上の戦い。アフタヌーンコミックスが贈る圧倒的画力と情熱の物語。夢を追うすべての人に捧ぐ、魂を揺さぶる最新刊。

氷の上に刻まれる刃の跡は、そのまま彼女たちの命の軌跡。つるまいかだ先生が描く『メダリスト』第14巻は、読者の魂を激しく揺さぶり、静かな感動を呼び起こす傑作です。フィギュアスケートという華やかな世界の裏側に隠された、血を吐くような努力、孤独な戦い、そして師弟の絆。そのすべてが、紙面から溢れ出さんばかりの圧倒的な熱量で描き出されています。
今巻において最も心を打つのは、主人公・結束いのりが直面する、これまでにない高い壁と、それを乗り越えようとする凄まじい執念です。スケートを始めたのが遅かった彼女が、天才たちと肩を並べるために積み上げてきた時間は、もはや単なる練習という言葉では片付けられません。祈るような思いでリンクを見つめるコーチの司と、師の期待を背負って氷上に立ついのり。二人の間に流れる、言葉を超えた信頼関係が、物語に深い奥行きを与えています。
実際にページをめくる手が止まらなくなるのは、その演出の力強さゆえです。ジャンプの瞬間、静寂が訪れ、そして着氷の瞬間に爆発する歓喜。まるで会場の冷気や観客の吐息までが伝わってくるような臨場感は、漫画という表現の限界に挑んでいるかのようです。ライバルたちがそれぞれの想いを胸に、自らの人生をかけて滑る姿もまた、単なる敵役ではなく、共に高みを目指す同志としての敬意を持って描かれています。
多くの読者が本作に惹きつけられるのは、これが単なるスポーツ漫画ではないからです。これは、一度は夢を諦めかけた者、あるいは周囲から「無理だ」と決めつけられた者が、自らの意志で運命を切り拓いていく物語です。第14巻で描かれる試練と成長は、今何かに向かって必死に生きているすべての人にとって、明日を戦い抜くための強烈なエネルギーとなるでしょう。
読後、私たちは深い溜息とともに、心地よい疲労感に包まれます。それは、いのりたちと共に氷の上を全力で駆け抜けた証です。一つの技を成功させるために、どれほどの涙を流してきたのか。その答えが、この一冊には凝縮されています。
この第14巻は、物語が新たな局面へと向かう重要な節目でもあります。美しくも過酷な氷上の世界で、少女がいかにして「メダリスト」への道を歩んでいくのか。その神聖な瞬間に立ち会える幸福を、ぜひ噛み締めてください。読み終えたとき、あなたの胸には、冷たい氷とは対極にある、熱く燃えるような何かが灯っているはずです。






















