その倦怠感、集中力低下、心身の不調…もしかして「糖質疲労」かも？現代人を蝕む隠れた原因を解き明かし、心身の不調から抜け出すための羅針盤

2025年6月12日

「いくら寝ても疲れが取れない」「午後になると猛烈な眠気に襲われる」「集中力が続かない」「イライラしやすい」――日々の生活の中で、こんな心身の不調を感じていませんか？もしかしたら、その原因は「糖質」にあるかもしれません。今回ご紹介するテーマは、現代人の健康を静かに蝕む隠れた問題、「糖質疲労」です。これは、単なる血糖値の問題ではなく、私たちのエネルギー、精神状態、そして全身の健康に深く関わる、見過ごされがちな現代病と言えるでしょう。

「糖質疲労」とは、白米、パン、麺類、お菓子、清涼飲料水などに多く含まれる糖質を過剰に摂取することで、血糖値が急激に乱高下し、結果として体と心に様々な不調が生じる状態を指します。食後に急激に血糖値が上がると、それを抑えるためにインスリンが大量に分泌され、今度は血糖値が急降下します。このジェットコースターのような血糖値の変動が、私たちの体に大きな負担をかけ、様々な「疲労」として現れるのです。

具体的に、糖質疲労はどのような症状を引き起こすのでしょうか？まず顕著なのが、倦怠感や疲労感です。いくら休息を取っても取れない体の重さ、朝起きるのがつらいといった症状は、血糖値の乱高下によってエネルギー代謝が不安定になることが原因の一つと考えられます。また、食後に耐え難いほどの眠気に襲われる「食後低血糖」も、糖質疲労の代表的な症状です。これは、インスリンの過剰分泌によって血糖値が下がりすぎることで起こり、仕事や学習の効率を著しく低下させます。

さらに、糖質疲労は精神面にも大きな影響を及ぼします。血糖値が不安定になると、脳のエネルギー供給も不安定になり、集中力の低下、イライラ、気分の落ち込み、不安感といった症状が現れることがあります。これは、脳の神経伝達物質のバランスが崩れるためとも言われ、自律神経の乱れにも繋がります。うつ病やパニック障害のような精神的な不調と間違われるケースもあり、適切な対処が求められます。

本書や関連情報では、このような糖質疲労のメカニズムを、わかりやすく解説しています。なぜ血糖値が乱高下するのか、それが体にどのような影響を与えるのか、そして、単に太るというだけでなく、なぜここまで様々な不調を引き起こすのか、その科学的な根拠が示されます。また、自身が糖質疲労に陥っているかどうかをチェックするための簡易的な項目なども紹介されるかもしれません。

では、この糖質疲労から抜け出すためにはどうすれば良いのでしょうか？その鍵は、「食生活の見直し」にあります。糖質を全く摂らない「糖質ゼロ」を目指すのではなく、血糖値の急激な上昇を避けるための「糖質の質」と「摂取方法」に焦点を当てます。例えば、精製された糖質（白米、白いパンなど）を控え、食物繊維が豊富な未精製糖質（玄米、全粒粉パンなど）を選ぶこと。食べる順番を工夫し、野菜やタンパク質を先に摂ることで血糖値の上昇を緩やかにすること。そして、間食に糖質を多く含むものを選ぶのを避けることなどが挙げられます。