「親友」の壁を超えられない主人公の葛藤と、急接近する二人の距離！ ムリだと思っていた関係性が、 ついに「ムリじゃなかった」領域へ突入!?： 恋と友情の狭間で揺れる 青春のきらめきを描く、 究極の共感系ラブコメディ
青春時代の友情は、時に恋よりも深く、かけがえのないものです。しかし、その親友が、もしも特別な存在へと変わろうとしているとしたら？ その時に抱く「喜び」と「恐れ」、そして「ムリムリ！」と言いながらも、心の奥底で期待してしまう「もしかして？」という淡い願望。コミック「わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ！（※ムリじゃなかった!?）」は、そんな複雑でリアルな感情を、圧倒的な共感度で描き出すラブコメディの傑作です。
待望の第6巻は、主人公の「わたし」が、これまで鉄壁だと思っていた「親友」という安全圏から、いよいよ抜け出さざるを得ない、物語の重要な転換点を迎えます。タイトルの「ムリじゃなかった!?」が示すように、主人公は自分の心に蓋をしてきたはずの「恋心」と、親友との関係が壊れることへの「不安」の間で、激しく揺れ動くことになります。
この作品の最大の魅力は、読者を引き込む「心の声」の描写にあります。主人公の「私なんかがあの子の恋人になれるわけない」という自虐的で、しかし誰もが経験したことがある強烈な自己否定の感情は、読む者に深い共感をもたらします。私たちは皆、大切なものを失うのが怖くて、一歩踏み出すことを躊躇してしまうからです。その、臆病さゆえの可愛らしさと、切実な想いが、繊細な筆致で描かれています。
第6巻では、周囲の思惑や、二人の関係を試すような出来事が次々と起こり、主人公は「ムリ」という建前を維持できなくなっていきます。親友からのさりげない一言や、ふとした瞬間の距離の近さが、主人公の心臓を激しく揺さぶり、読者もまた、その胸の高鳴りを追体験することになります。この、甘酸っぱく、もどかしい「急接近」の描写が、この巻の最大の読みどころです。
私はこの巻を読んで、「友情と恋愛の境界線」の曖昧さと、そこを踏み越える「勇気」の尊さを改めて感じました。親友だからこそ、お互いの弱さを知っている。親友だからこそ、失いたくない。その中で、「それでも好きだ」という感情を優先させることの、どれほどの覚悟と情熱が必要か。この葛藤こそが、青春ラブコメディの真髄であり、読者を熱狂させる理由です。
キャラクターたちの魅力的な個性、そして可愛らしいビジュアルも相まって、「わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ！」は、単なるラブコメディを超えた、青春時代の「自己肯定感」と「成長」の物語です。この巻で、主人公がどのような決断を下し、二人の関係がどこへ向かうのか。全ての読者の胸をキュンとさせ、心から応援したくなるこの物語の行方を、ぜひ見届けてください。