【失われた「こころ」を探す旅】テガミバチ|魂の欠片を運ぶ少年ラグ・シーイングの感動ファンタジー!|光が届かない世界で、「絆」と「希望」のメッセージを届ける郵便配達人たちの運命の物語
永久夜の国で:「こころ」を運ぶ少年が、失われた絆を繋ぎ直す物語
この物語の舞台は、太陽の光が届かない、常に薄明かりに包まれた世界、「アンバーグラウンド」。この国の空には、唯一の光源である人工太陽が浮かびますが、その光は大地のごく一部しか照らしません。暗闇に包まれた過酷な大地で、人々を繋ぐ唯一の希望、それが「テガミバチ」と呼ばれる郵便配達人たちです。
主人公は、ラグ・シーイング。彼の人生は、ある日突然、「郵便物(テガミ)」として運ばれることから始まりました。
幼いラグは、目の前で愛する母親を何者かに連れ去られ、深く傷ついた心を抱えたまま、見知らぬ大人たちの間で運ばれる運命となります。恐怖と絶望に震えるラグを、身を呈して守り、遠い目的地まで送り届けてくれたのが、一人のテガミバチ、ゴーシュ・スエードでした。
ゴーシュは、郵便物であるラグを、単なる荷物ではなく、「大切なテガミ」として扱いました。彼がラグの心に灯した「優しさ」と「誇り」の光。それは、ラグの心に深く刻み込まれ、やがて彼の人生の「目標」となります。
数年後、ラグはゴーシュと同じテガミバチになることを決意し、郵便館のあるユウサリ地区を目指します。彼の原動力は、ゴーシュへの「憧れ」と、「いつか母に会い、母の『こころ』を取り戻す」という強い願いです。
テガミバチの仕事は、命懸けです。彼らは、人間や荷物の「こころ」を狙う巨大な鎧虫、「ガウチ」が徘徊する危険な暗闇を、たった一人で進まなければなりません。ラグは、ゴーシュから教わった、自身の「こころ」を込めた弾丸を放つという特殊な銃、「心弾銃(しんだんじゅう)」を携え、困難な旅に挑みます。
ラグの旅は、単なる配達ではありません。それは、人々が諦めかけた「絆」や「希望」のメッセージを、その人の魂の奥深くまで届けるという、「こころ」を巡る感動的な冒険です。
彼は旅路で、失った「こころ」の欠片を抱える人々と出会い、彼ら自身の光を見つける手助けをします。そして、彼自身の深い悲しみと向き合いながら、テガミバチとして成長していくのです。
『テガミバチ』は、過酷な世界の中で、人の優しさと、諦めない想いこそが、闇を切り裂く最強の「光」となることを教えてくれる、珠玉のファンタジー物語です。