【実録!爆笑農業奮闘記】『百姓貴族』|「鋼の錬金術師」作者が描く北海道酪農の過酷で笑える真実!|年中無休、クマと戦い、食料自給率1000%を目指した荒川弘の七年間|汗と笑いが詰まった農家エッセイコミックの決定版!
命がけの「食料自給率1000%」生活!荒川弘が体験した百姓(ひゃくしょう)の流儀
この物語は、後に世界的なヒット作『鋼の錬金術師』を生み出すことになる一人の若者、荒川弘が、漫画家になるまでの7年間、故郷の北海道で経験した、笑いと過酷さが極限まで詰まった「百姓生活」の記録です。
都会の華やかな生活とは無縁。そこにあるのは、広大な大地、牛、野菜、そして時々出没するクマ。荒川弘、その人自身が語るこのエッセイコミックは、私たちが知らない日本の「農業のリアル」を、容赦なく、そしてユーモラスに暴き出します。
物語の主人公は、酪農家の娘として生まれ、漫画家を目指しながらも実家の手伝いに没頭する荒川家(通称:牛のいる生活)。彼らの日常は、まさに「年中無休・ハードモード」のRPGです。
夜明け前に起きて、温かい牛舎で牛の世話をし、搾乳。夏は広大な畑で容赦なく草をむしり、冬は雪と格闘しながら牧草を運ぶ。彼らのモットーは「食料自給率1000%!」—自分たちで食べるものは、自分たちで作り、残りは出荷する、という生き様です。
この生活の過酷さは、想像を絶します。
- 動物との知恵比べ:畑の野菜を狙うエゾシマリスとの終わりのない攻防。愛くるしい顔に騙されてはいけない、彼らは熟練の泥棒です。
- 命がけの仕事:分娩中の牛の命を助けるために、素手で胎内に入り作業する、命懸けの奮闘。そして、いつ遭遇するかわからないヒグマへの恐怖。
- 天候との戦い:天候一つで一年間の収穫が決まるという、自然の前に立つ人間の無力さと、それでも立ち向かう強さ。
しかし、この物語がただの「苦労話」で終わらないのは、荒川弘の類稀なるユーモアと、荒川家の人々が持つ「明るいタフネス」にあります。
過酷な作業も、彼らの手にかかれば、読者を爆笑させる壮絶なコントへと変わります。「野菜が売れないなら、全部食えばいい!」という豪快な発想や、酪農家ならではの「命の重み」を知るからこその、時折見せる真面目な横顔が、読者の心に深く響きます。
『百姓貴族』は、汗水垂らして働く大人たちの、「カッコ良い生き様」を教えてくれます。それは、泥にまみれ、クマに怯えながらも、自分たちの食を支える誇りを持って生きる人々の、力強いメッセージです。
日本の農業の厳しい現実を知りながらも、そこにある圧倒的な生命力と爆笑エピソードに、きっとあなたは励まされるでしょう。