「怪獣」として生きるか、「人」として戦うか。最強の男が突きつける絶望と、迫り来る史上最大の危機。己の存在意義を懸けた戦いが、今、幕を開ける! 日比野カフカの運命が激動する、防衛隊の最終決戦が始まる。
怪獣が日常を脅かす世界。その最前線で戦う防衛隊員たちの熱い物語として、多くの読者の心を掴んで離さない『怪獣8号』。本作は、主人公・日比野カフカが、史上初の識別怪獣である「怪獣8号」へと変身する力を手に入れたことで、彼の人生が大きく揺れ動く様を描いています。怪獣を駆逐する側の人間でありながら、その身に怪獣の力を宿してしまったカフカの葛藤と戦いは、新たな局面を迎えます。
物語は、カフカが防衛隊長官・四ノ宮功の判断により、兵器化されることは免れたものの、身柄を拘束された状態から始まります。彼の力は、いつ暴走するかわからない危険なものと見なされ、その存在は防衛隊の内部でも賛否両論を巻き起こしていました。そんな中、第3部隊の新人たちがそれぞれの任務先へと異動していく中、カフカの前に現れたのは、防衛隊最強の男であり、第1部隊を率いる隊長・鳴海弦でした。
鳴海弦は、その圧倒的な力とカリスマ性で防衛隊を牽引する、まさしく「最強」の存在です。彼は、怪獣8号の力を借りるのではなく、怪獣を完全に駆逐することを信条としており、隊員としての日比野カフカを必要とはしていませんでした。この鳴海との出会いが、カフカの運命を再び大きく動かすことになります。自身の存在を認めさせ、再び隊員として仲間と共に戦うために、カフカは怪獣8号の強大すぎる力と、真正面から向き合うことを決意します。
しかし、その裏では、さらなる脅威が迫っていました。それは、怪獣8号に匹敵する、いやそれ以上の知性と力を持ち、常に防衛隊の動向を伺っていた「怪獣9号」です。怪獣9号は、防衛隊の情報を盗み出し、新たな識別怪獣兵器(ナンバーズ)の適合者を生み出すなど、着々とその牙を研いでいました。
本作では、ただ怪獣と戦うだけでなく、防衛隊内部の人間ドラマも深く掘り下げられています。カフカの力をどう扱うべきか、人類の未来をどう守るべきか。それぞれの隊員が持つ意志と、力、そして信念が複雑に絡み合い、物語に深みを与えています。
さらに、新たな識別怪獣兵器(ナンバーズ)の適合者が誕生し、防衛隊の戦力は新たな局面を迎えます。しかし、その力は諸刃の剣であり、適合者たちに大きな葛藤をもたらすことになります。仲間との絆、そして「怪獣」としての自分。カフカは、その狭間で、何を信じ、どう戦っていくのでしょうか。
『怪獣8号』は、ただのアクション漫画ではありません。それは、己の運命に抗い、大切な仲間と共に、人類の未来を懸けて戦う男の物語です。圧倒的なスケールで描かれる怪獣との戦闘シーン、そして心揺さぶる人間ドラマが、読者の心を熱くします。
今、防衛隊を襲う史上最大の危機が迫る中、日比野カフカは、人類の希望となるか、それとも…? 彼の戦いの行方から、目が離せません。