全員合格の夢が裏切りに変わる瞬間―エンタテインメント企業「スピラリンクス」最終選考に残った6人の嘘つき大学生が、密室で互いを疑い合い、封筒に綴られた「×××は人殺し」の告発が暴く罪と嘘の連鎖。8年後、届いた一通の手紙が最悪の結末の真相を

エンタテインメント業界随一の注目度を誇る「スピラリンクス」の新卒採用最終選考。誰もが憧れる同社の扉を叩いたのは、個性も志望動機も異なる6人の大学生だった。順調に勝ち進み、「1か月後のグループディスカッション」に向け、チームとして準備を重ねる彼ら。だが、最終選考当日、突如主催者側から告げられたルールは予想を超えるものだった。

「勝ち残るのは1人だけ。その1人は皆さんで決めてください」――。
チームワークを武器に絆を深めようとした彼らにとって、最大級の衝撃だ。ライバルとなった仲間同士は、表向きは微笑みながらも、裏では互いの弱点を探り合い、問い詰め、仕掛ける。本来なら協力し合うはずの内部で生まれる疑心暗鬼が、次第に歪んだゲームへと発展していく。

やがて運命を左右する“6通の怪しい封筒”が、会議室のテーブルに置かれる。中身は真偽不明の告発文──そのひとつには「×××は人殺し」と記されていた。誰が誰を罠に嵌めたのか、あるいは本当に罪を犯した者が潜んでいるのか。疑惑が張り巡らされる中で、次々と暴かれていく各自の過去と嘘。被害者意識、自己保身、虚栄心――人間の醜い本性が、封筒に綴られた文字となって暴走を始める。

最終局面を迎える頃には、6人のうち残るのは“犯人”と“内定獲得者”の2人だけ。選ばれる一席は、裏切りと嫉妬、駆け引きの末に誰の手に渡るのか。そして、彼ら6人全員の錯綜した思惑と罪は、無慈悲なゲームの光景として記憶に刻まれる。

物語はここで終わらない。あの日から8年後──スピラリンクス本社に、一通の差出人不明の手紙が届く。内容は衝撃的だった。最終面接で“真犯人”とされた人物は本当に罪を犯したのか?封印されたはずの“人殺し”の告発は、誤りだったのか?それともさらなる大きな陰謀が渦巻いているのか?封筒ゲームの裏に潜んでいた真相が、再び動き出す。

人はなぜ嘘をつくのか。正義とは何か。――ひとつの選択が、6人の未来を壮絶に奪い去った。衝撃の最終面接から8年後、手紙が呼び覚ますのは、忘れかけていた悪夢と真実への渇望。観る者を最後まで釘づけにする、戦慄のサバイバル・ミステリーがここに幕を開ける。