50年前に突然姿を消した初恋の相手ミコを探すため、アイスランドからロンドン、そして日本へと奔走します。その物語は1957年の青春時代と現代パートを交錯させながら、時間と国境を越える“心の旅”を描き出す
物語の内容
二つの時代を行き来する構成
2020年、72歳のクリストファー(エギル・オラフソン)は、認知症の診断を家族に隠して、かつて恋人だった日本人女性ミコ(Kōki.)を探す旅に出ます。物語は1957年のロンドンにも遡り、若き日のクリストファー(パルミ・コルマウクル)とミコの出会いから別れまでを映像で追体験します。
初恋の謎と再会への渇望
ミコは突如イギリスを離れ、父親(本木雅弘)と共に日本へ帰国。理由も告げられず姿を消した彼女の行方を、クリストファーは「残された時間」が少ないことを知りながらもあきらめきれず、五十年の時空を越えて捜し続けます。
主な登場人物
- クリストファー(エギル・オラフソン):老年期の主人公。若い頃のトラウマと愛を胸に、人生最後の大冒険に踏み出す。
- ミコ(Kōki.):1957年ロンドンで出会った初恋の女性。父親の事情で帰国し、その後消息不明となる。
- 若き日のクリストファー(パルミ・コルマウクル):学業を投げ打ち、レストランで働きながらミコとの恋に殉じようとする青年期の姿を体現。
制作背景と評価
- 原作との出会い:オラフソンの小説は、愛と喪失を静謐に描いたと評され、すでに英米で高評価を獲得していた。
- 監督の手腕:バルタザル・コルマウクル監督は、アイスランドの自然風景と異国情緒を織り交ぜながら、人間の内面を映す繊細な演出で知られる。
- 批評家の声:TIME誌は「穏やかだが深く心に響くロマンチックなメロドラマ」と評し、『The Australian』は「感情的深みと歴史的重層を巧みに融合」と称賛しています。
見どころ
- 時代感の対比:1960年代ロンドンのモノクロームな青春と、2020年の現代風景が交差する映像美。
- 感情の機微:老クリストファーの孤独と焦燥、若クリストファーの熱烈な恋心が対照的に描かれ、観る者の胸を締めつけます。
- 異文化ロマンス:日本とアイスランド、イギリスを舞台にした国際的なラブストーリーは、コロナ禍の旅情とも重なり、新たな共感を呼び起こします。
こんな人におすすめ
- 一度きりの初恋の切なさをもう一度味わいたい方
- 時代をまたぐ映像表現やクロスカルチャー作品が好きな方
- 人生の終盤に希望と再会を求める感動譚を求めるシニア層やミドル層
『TOUCH/タッチ』は、50年の歳月と国境を超えて結ばれる二人の“約束”を静かに、しかし力強く紡ぎます。初恋の記憶がもたらす切なさと希望を、大スクリーンでぜひ体感してください。