TRIGUN STARGAZE。不殺を貫くガンマン、ヴァッシュが放つ希望と絶望の物語。人間台風と恐れられる男の真実と、宿命の兄弟が繰り広げる壮絶な戦い。圧倒的な映像美で描かれるSFアクションの最高傑作。

母なる地球を離れ、宇宙の果てに流れ着いた人々が、乏しい資源を奪い合いながら生きる弱肉強食の世界。そこには、歩く場所すべてを更地にしてしまう「人間台風」として恐れられ、史上最高額の賞金が懸けられた男、ヴァッシュ・ザ・スタンピードがいました。しかし、スクープを追う記者メリルが出会ったのは、凶悪な犯罪者とは程遠い、誰よりもお人よしで、どんなに傷ついても「決して人を殺さない」と誓う、孤独な風来坊でした。彼の背負う赤いコートは、まるで流された多くの血を吸い込んだかのように鮮やかで、その裏に隠された無数の傷跡は、彼がこれまでに耐え抜いてきた過酷な歳月の重みを物語っています。

この物語の最大の魅力は、愛と平和という、ともすれば安っぽく聞こえてしまう理想を、極限の状況下で守り通そうとするヴァッシュの「狂気」とも呼べるほどの献身にあります。彼と対峙するのは、人類を憎み、冷徹な理想を掲げる双子の兄、ナイヴズ。血を分けた兄弟でありながら、相容れない信念をぶつけ合う二人の確執は、単なる善悪の対立を超え、生命の在り方そのものを問いかける深い哲学へと昇華されています。重火器を抱えた葬儀屋ニコラスという、死を象徴する相棒を道連れに進む旅路は、常に死の影が付きまといますが、だからこそヴァッシュが放つ「生きろ」という言葉は、私たちの胸を激しく、そして熱く震わせるのです。

私自身、物語を読み進める中で、ヴァッシュの優しさが彼自身を削り、追い詰めていく姿に、胸が締め付けられるような痛みを覚えました。それでもなお、銃口を向けられてもなお微笑みを忘れない彼の姿は、暴力が支配する荒野において、唯一の救いのように輝いて見えます。砂漠の夜空に輝く星々を見上げる彼が、その瞳に何を映し、何を祈っているのか。その孤独を知ったとき、読者はただの観客ではなく、彼の旅の目撃者として、その運命を共に背負わずにはいられなくなります。

TRIGUN STARGAZE

圧倒的なスケールで描かれるガンアクションと、細部まで作り込まれた独自の世界観。それらが一体となって紡がれる謎の真相は、世界が崩壊へと向かうカウントダウンの中で、あまりに切ない驚きを私たちに突きつけます。

これは、罪を背負いながらも明日を信じようとする、すべての人に捧げられた希望の賛歌です。最後の一撃が放たれ、すべての謎が明らかになったとき、あなたの心には、荒野に咲く一輪の花のような、静かで力強い感動が残っているはずです。星の光が降り注ぐノーマンズランドの果てで、ヴァッシュたちが辿り着く結末を、ぜひその魂で見届けてください。