最果てのパラディン鉄錆の山の王。十七歳になった聖騎士ウィルが挑む新たな試練と冒険。滅びたドワーフの都に眠る黒き災いの火から平穏を守り抜け。重厚な世界観と高潔な生き様が魂を揺さぶる王道ファンタジーの傑作。

かつて死者の街で三人の不死者に慈しまれ、神に誓いを立てた少年ウィリアム。彼が聖騎士として歩み始めてから二年の月日が流れました。新作『最果てのパラディン 鉄錆の山の王』は、かつての幼き少年が、一人の領主として、そして一人の英雄として、自らの足で運命を切り拓いていく姿を描いた、誇り高くも切ない成長の物語です。
舞台は、人々の笑顔が戻りつつある「灯火の河港」。ウィルの尽力により平和を取り戻したはずの「獣の森」に、季節外れの花が狂い咲くという不穏な予兆が現れます。その異変の正体を突き止めるべく森の深淵へ向かった彼らを待っていたのは、森の王が告げる戦慄の予言でした。かつて栄華を極め、今は滅びしドワーフの都「鉄錆山脈」に眠る、すべてを焼き尽くす「黒き災いの火」。その正体不明の脅威を前に、ウィルは再び己の武器を手に取ります。
この物語の最大の魅力は、読み手の心に深く染み渡る「祈り」と「誓い」の重厚な描写にあります。ウィルは決して無敵の超人ではありません。十七歳という若さゆえの葛藤や、背負った領民たちの命の重さに悩みながらも、それでも正しい道を選ぼうと足掻く姿が、私たちの胸を激しく打ちます。彼が発する言葉の一つひとつには、かつての親代わりであった不死者たちの教えが息づいており、その絆が時を超えて彼を支える演出には、思わず涙を禁じ得ません。
実際に物語に触れた人々からは、「これこそが本物のファンタジーだ」という感嘆の声が上がっています。新しい仲間との出会い、未知の遺跡への足跡、そしてドワーフの誇り。それらが緻密な筆致で描かれることで、読者はウィルと共に冷たい風を頬に感じ、鉄錆の匂いを嗅ぎ、暗闇の奥に潜む災厄に息を呑むような、圧倒的な没入感を味わうことになります。
読後、心に静かに残るのは、明日を信じて戦う勇気です。絶望的な予言を前にしても、ウィルは「最果ての聖騎士」として、愛する人々を守るために立ち上がります。その瞳に宿る光は、暗い時代を生きる私たちにとっても、希望の灯火となるはずです。
古き良き神話のような崇高さと、現代的な心の機微が見事に融合したこの冒険譚。鉄錆の山脈に隠された真実とは何なのか。そしてウィルはその火を消し止めることができるのか。新たな伝説の幕開けを、ぜひその魂で見届けてください。最後の一行を読み終えたとき、あなたはきっと、自分自身の内側にも小さく、しかし確かな勇気が灯っていることに気づくでしょう。






















