『八男って、それはないでしょう!』第12巻では、伯爵となったヴェンデリンが“未開地開発”という重責を担い、チート級の土木魔法と有能すぎる家臣・ローデリヒの活躍で領地が爆速で発展していく。思い描いていた冒険者生活からは程遠いドタバタ内政劇
ヴェンデリンが伯爵に叙爵されて以来、彼の最重要ミッションは辺境領地の開拓となった。土木魔法を駆使して飛石や橋梁を構築し、農地や街道を整備するなか、領地を分断する山脈を貫く古代トンネルが発見される。しかし、そのトンネルは地図にも載っていない弱小貴族の領地へと続いており、新たな交易ルートとしての期待と同時に、思わぬ利権争いの火種を生むことになってしまう──。
未開地開発無双の舞台裏
伯爵としての責務を果たすべく、「もっと冒険者活動を…」というヴェンデリン本人の希望を棚上げしつつ、彼の魔力量に見合わない膨大な内政タスクが次々と降りかかる展開に。チート級の土木魔法を惜しみなく注ぎ込み、ローデリヒをはじめとする有能な家臣団が驚異的なスピードでインフラ整備を進めていく様子は圧巻です。
家臣ローデリヒの奮闘
巻頭から領地開発に奔走するローデリヒは、本巻でも大車輪の活躍ぶり。彼の戦略的智慧と組織力によって、新たな開拓区画の計画が円滑に進行し、ヴェンデリンが築いた農場や交易所は次々と軌道に乗っていきます。後半では結婚にまつわる家門の事情にも深く関わり、物語に人間ドラマの厚みを加えています。
シリーズの背景
本作は、一宮信吾が異世界に転生して貧乏貴族の八男・ヴェンデリンとなり、魔法の才能を活かして成り上がっていく物語の第12巻です。第1巻から続く“転生モノ×内政無双”という斬新な設定は、シリーズ累計で高い人気を誇っています。
見どころポイント
- スケールアップした開拓戦略:古代トンネルや未踏の鉱山など、新たな資源確保手段が次々と登場し、領地開発の深みが増しています。
- ヴェンデリンの苦悩と成長:伯爵としての責務感と、元・冒険者としての自由欲求の板挟みが、彼の内面にリアルな葛藤を生み出します。
- 家門ドラマの厚み:家督承継や結婚話など、政治的駆け引きが後半に差し込まれ、シリーズ初期とは一線を画す大人の展開を見せます。
こんな方におすすめ
- 内政系異世界ファンタジーの緻密な描写が好きな方
- 転生×成り上がりモノの王道を楽しみたい方
- キャラクター同士の絆と駆け引きに深みを求める読者
- シリーズ未読でも「内政無双」というテーマに惹かれる方