「赤い瞳が映す亡霊の真実—霊が視える大学生・斉藤八雲が、怖がらない女子大生・晴香とともに廃屋の幽霊騒動を解明する、伝説のスピリチュアル・ミステリーが“完全版”で再始動!」

『心霊探偵八雲1 完全版 赤い瞳は知っている』は、死者の魂を視ることができる赤い左眼を持つ大学生・斉藤八雲が主人公のスピリチュアル・ミステリー小説です。原作は神永学、累計750万部を突破した大ヒットシリーズを全面改稿した“完全版”として、講談社文庫から再刊行されました。書き下ろし要素を加えつつ、スマートフォンや現代風の設定を盛り込み、初版刊行時の古さを一掃したリブート版です。

登場人物

  • 斉藤八雲:大学の映画研究同好会に所属する学生。左眼が赤く発光し、あの世の人間=幽霊を視ることができる特殊能力を持つ。無表情で冷静沈着だが、依頼の報酬を強く求めるドライな一面も。
  • 山村晴香:八雲と同じ大学の女子学生。幽霊を怖がらない珍しい性質を持ち、廃屋で起こる怪異を調べに来た際に八雲と出会う。行動力があり、八雲の冷徹さを和らげるムードメーカー的役割。
  • 謎の幽霊:廃屋に現れる女性の霊。依頼人の友人として現れた晴香の過去に強く関係しており、事件の核心へと導くキーパーソンとなる。

物語の流れ

  1. 出会いと依頼
    晴香は映画研究同好会の部室で八雲と遭遇し、「廃屋で霊を見た」という相談を持ちかける。
  2. 現場調査
    夜の廃屋で幽霊を目撃した晴香を案内しつつ、八雲は過去の記憶断片や霊の言葉から「この家に何があったのか」を解読しようとする。
  3. 真実の顕現
    見返り(成功報酬)を要求する八雲に対し、晴香は最初こそ反発するが、次第に霊が語る「未完の思い」に共感し、二人は協力関係を深める。
  4. クライマックス
    霊が残した秘密を暴き、現実の事件とリンクする証拠を提示。八雲の能力と晴香の勇気が融合し、悲劇の顛末を浮かび上がらせる。

テーマと魅力

  • 死と向き合う視点:霊という存在を単なる怪異ではなく「未練を抱えた魂」として描き、読者に〈死者の声〉を聴かせる。
  • バディミステリー:ひんやり無愛想な八雲と、熱意ある晴香のコンビネーションがコミカルかつスリリングな相乗効果を生む。
  • 現代的アレンジ:スマートフォンによる連絡やSNSへの言及など、全面改稿で現代の若者にも共感しやすい設定に刷新されている。

完全版の特徴

  • 全面改稿×書き下ろし:初版の文章をすべて見直し、読みやすさとテンポを最適化。加えて新規エピソードを収録し、シリーズ既読者にも新鮮さを提供。
  • 巻末特典:作者による新規解説や連載当時の裏話を収録。シリーズの世界観をより深く味わえるファン必携の内容です。
  • ビジュアル刷新:文庫カバーは夜の廃屋と赤く光る八雲の瞳をモチーフに、ミステリアスな雰囲気を強調したデザイン。

『心霊探偵八雲1 完全版 赤い瞳は知っている』は、“死者の声”を聴くという独自設定を軸に、短編ながら緻密な謎解きと人間ドラマを両立した珠玉の一作です。シリーズの入口としても最適なリブート版を、この機会にぜひお楽しみください。