七つ屋志のぶの宝石匣26巻。二ノ宮知子が描く宝石と質屋の物語。志のぶの類稀なる鑑定眼と顕定の過去が交錯する最新刊。赤いダイヤモンドを巡る因縁が加速し、運命の歯車が大きく動き出すファン待望の物語を体感せよ。

ページをめくるたび、煌びやかな宝石の輝きと共に、複雑に絡み合った運命の糸が一本ずつ解き明かされていく高揚感に包まれます。下町の質屋「倉田屋」の娘であり、宝石の「気」を感じ取る類稀なる才能を持つ志のぶ。そして、幼い頃に倉田屋に預けられた過去を持つ、端正で謎めいた外商員、顕定。第26巻では、この二人が長年追い続けてきた、顕定の一族を崩壊させた「赤いダイヤモンド」を巡る謎が、かつてないほどの緊張感を伴って動き出します。
本シリーズの魅力は、緻密に取材された宝石の専門知識が、一人の人間の人生や想いと見事に重なり合う点にあります。持ち込まれる宝石一つひとつには、喜びや悲しみ、あるいは誰にも言えなかった秘密が封じ込められています。志のぶがその宝石の声を聴き、真実を暴き出す過程は、単なるミステリーを超えた深い人間ドラマを紡ぎ出します。今巻においても、宝石に託された切実な祈りが、読者の心を静かに、しかし強く揺さぶります。
私自身、この最新刊を読み進める中で、志のぶと顕定の関係性の変化に、幾度も胸が熱くなりました。守られるべき少女から、顕定を支え、共に真実へ立ち向かうパートナーへと成長を遂げる志のぶ。彼女の真っ直ぐな瞳は、暗い過去に縛られ続ける顕定の心に、救いという名の光を投げかけます。二人の間に流れる、言葉を超えた信頼と淡い恋情。それは、どんな高価な宝石よりも尊く、美しいものとして描かれています。
二ノ宮知子先生特有の軽妙なユーモアが、重厚な謎解きの中に絶妙な安らぎを与えてくれます。下町の人々の温かなやり取りや、癖の強いキャラクターたちが織りなす日常。その安心感があるからこそ、核心に迫るシリアスな展開がより一層際立ち、読む者の心を捉えて離しません。
これは、美しき宝石たちが導く、再生と決別の物語です。一つひとつの石に刻まれた歴史が、現代に生きる私たちの葛藤と共鳴し、忘れかけていた大切なものを思い出させてくれます。物語はいよいよ最高潮へと向かい、これまでの伏線が鮮やかに回収されていく予感に満ちています。志のぶが見据える未来に、どのような輝きが待っているのか。物語の目撃者として、この感動をぜひあなた自身の目で見届けてください。最後の一ページを閉じたとき、あなたの瞳にも、志のぶが見つめる世界と同じような輝きが宿っているはずです。





















