呪いの連鎖は終わらない。呪術廻戦モジュロ第一巻。ジャンプコミックス最新作が描く未知なる呪術戦の幕開け。絶望と希望が交錯する全寮制学園の闇。新たな術師たちの葛藤と成長を圧倒的な筆致で綴る至高の物語。

闇の中に灯る、剥き出しの命の火:新章が刻む「呪い」と「再定義」の軌跡
かつて、一人の少年がその身に巨大な呪いを宿し、運命に抗い続けた物語がありました。その激闘の果てに私たちが目撃したのは、美しくも残酷な祈りの形でした。そして今、新たな舞台で、再び呪いの歯車が回り始めます。最新作『呪術廻戦≡(モジュロ)』第一巻は、これまでのシリーズが築き上げた重厚な世界観を土台にしつつ、全く新しい視点から「呪術」という現象を掘り下げていきます。ページをめくるたびに、闇の底から立ち上がる負の感情の渦と、それに立ち向かう少年少女たちの瑞々しいまでの覚悟が、私たちの心を激しく揺さぶります。
本作の最大の魅力は、既存の枠組みに囚われない「新たな呪術」の解釈と、そこに生きる登場人物たちの切実な人間ドラマにあります。タイトルの「モジュロ」が示唆するように、ある規則性の中で繰り返される運命や、割り切れない想いの残滓が、物語の核として据えられています。新世代の術師たちが抱える孤独、焦燥、そして誰かに認められたいという純粋な願い。それらが「呪い」という形を取って具現化されるとき、戦いは単なる暴力ではなく、自分自身の魂を証明するための儀式へと昇華されます。彼らの振るう力が、誰かを守るための盾となるのか、あるいは全てを焼き尽くす矛となるのか。その危うい境界線に、私は終始目を離すことができませんでした。
実際にこの一巻を読み進めて感じたのは、芥見下々先生が作り上げた世界の深淵さを継承しつつも、新しく吹き込まれた「静かなる激情」です。アクションシーンの迫力は言わずもがなですが、何よりも登場人物たちの「対話」の間に流れる緊張感が秀逸です。ふとした瞬間に見せる弱さや、極限状態での決断。それらが精緻な作画によって描き出されることで、読者はあたかも自分自身が呪術高専の冷たい廊下に立っているかのような没入感を味わうことになります。失われたものへの追慕と、それでも明日を生き抜こうとする意志。そのコントラストが、乾いた現代社会に生きる私たちの心に、痛烈なまでの生の実感を与えてくれます。
また、本作が提示する新しい謎の数々も、知的好奇心を強く刺激します。モジュロという概念が、物語にどのような驚きをもたらすのか。呪いの本質が、時代と共にどう変容していくのか。第一巻という幕開けに相応しく、これからの展開に無限の可能性を感じさせる伏線が随所に散りばめられています。それは、かつてのファンにとっては懐かしくも新しい再会であり、初めてこの世界に触れる人々にとっては、魂を揺さぶる衝撃的な冒険の始まりとなるでしょう。
『呪術廻戦≡(モジュロ)』は、暗闇の中で光を探し求めるすべての人に贈る、現代の黙示録です。呪いという名の宿命を背負いながらも、自分らしくあることを諦めない若者たちの姿は、何物にも代えがたい気高さを放っています。彼らが流す血と汗、そして言葉にできない想いの結晶を、ぜひその手で受け止めてください。物語の針は再び動き出しました。その先にあるのが救済か破滅か、私たちはその目撃者になることを運命づけられています。






















