「遺失物統轄機構（KITORA）」——忘れられたものが導く未来 冒険の舞台は怪異がひそむ地方都市!それは 失われたモノの姿で現れる――。怪奇現象が起きている「ある街」の真相を突き止めろ!クリエイター・ほしが手掛ける初のアート作品集!

「落とし物は、時に人の運命を変える——。」

夜の東京、無数のネオンが瞬く中、黒塗りの車が静かに停まる。
運転席の男は無言で手袋をはめ、トランクから古びたケースを取り出した。
そのケースには、小さくこう刻まれていた——「KITORA」。

遺失物統轄機構（KITORA）。
それは、この世の"忘れられたもの"を管理し、時に「持ち主の運命を修正する」組織。

第一章：消えた時計と消えた時間

新人職員の結城楓（ゆうき かえで）は、ある遺失物を調査する任務を受けた。

それは、20年前に失われた懐中時計。
持ち主の名は、遠野優人（とおの ゆうと）。

彼はかつて有望な発明家だったが、ある日を境に行方をくらましたという。

「この時計を見つけ出せば、彼の運命も変わるのか？」

楓は調査を進めるうちに、KITORAの裏の顔を知ることになる。
単なる「遺失物管理」ではなく、
それらが本来あるべき場所へ戻ることで、運命が修正されるのだと——。

第二章：運命を取り戻す者たち

KITORAの倉庫には、何十年も前の手紙、片方だけの指輪、古びた鍵——
「誰かの人生に関わるもの」が、静かに眠っていた。

その中で、楓は奇妙な事実を知る。
遠野優人の時計が、本来あるべき場所に戻れば、「未来」が変わる可能性がある。

そして、その時計を追ううちに浮かび上がる、一つの陰謀。

「KITORAは、ただの遺失物管理機関じゃない。」

そこには、歴史の影で「意図的に消されたもの」を守る使命があったのだ。

第三章：選ばれた未来

時計を取り戻した楓は、ついに遠野優人の隠れ家を突き止める。
彼は20年間、ある発明を封印していた。

それは——「時間を記録する機械」。

もしその技術が世に出ていたら、未来は違っていたかもしれない。
だが、時計を失ったことで、彼の人生は狂い、歴史もまた別の道を歩んだ。

「人は、"失う"ことで別の未来を選ばされるのか。」

KITORAの真の目的とは何なのか？
忘れられたものが導く未来とは？

楓が選ぶのは、失われた過去か、それとも新たな未来か——。