「アンダーニンジャ」— 現代社会に潜む20万人の忍者!末端下忍が挑む、巨大な陰謀と学園バトル!日本の歴史を陰で常に動かしてきた“忍者”。現代でも忍者は秘密裏に存在し、日常に潜み、世界中で暗躍している。その数は20万人とも言われる。
現代の日本に、20万人もの忍者が存在するとしたら? しかも、その多くが「仕事」にあぶれているとしたら? そんな奇抜な設定で読者の度肝を抜き、瞬く間に熱狂的な支持を集めた衝撃作、それが『アンダーニンジャ』です。私たちの知らないところで、日本の歴史を裏で操り続けてきた「忍者」たちが、戦後のGHQによる組織解体を経て、ひそかにその血脈を受け継ぎ、今もなお世界中で暗躍しているという大胆な仮説から物語は始まります。
主人公は、そんな現代の忍者社会の最底辺で、仕事にもありつけずボロアパートでくすぶっている下忍・雲隠九郎(くもがくれくろう)。彼の日常は、あまりにもだらしない。暇を持て余し、自堕落な生活を送る九郎の姿は、私たちが抱く忍者のイメージとはかけ離れています。しかし、そんな彼に突如として、日本の命運を左右するかもしれない重大な「忍務」が舞い込んできます。その任務とは、戦後70年以上にわたり地下に潜り続けている、謎の巨大組織「アンダーニンジャ」、通称「UN」の調査です。
「UN」が潜んでいるという情報を得た九郎は、なんと高校生として講談高校に潜入することになります。忍者としての腕前は確かなものの、現代社会の常識には疎く、協調性も皆無な九郎が、普通の高校生に成りすまして任務を遂行できるのか? ここから物語は、予測不能な展開を見せ始めます。平穏な学園生活を送る生徒たちの陰に潜む、訓練された忍者たち。日常の風景の中に隠された、非日常の戦いが、緊迫感とユーモアを交えながら描かれます。
作品の最大の魅力は、「忍者」という誰もが知る存在を、現代社会のリアリティと融合させた独特の世界観にあります。20万人もの忍者が存在する中で、なぜか仕事がない下忍たちの哀愁や、彼らの間で繰り広げられる序列争いなど、ある種の「サラリーマン社会」のような側面も描かれており、読者の共感を誘います。一方で、ひとたび任務となれば、彼らは超人的な身体能力と知略を駆使し、瞬く間に激しいバトルを繰り広げます。このギャップが、作品に唯一無二の魅力を与えています。
そして、講談高校での潜入任務が進むにつれて、「UN」の目的が徐々に明らかになっていきます。彼らは一体何を企んでいるのか? なぜ、彼らは70年以上もの間、地下に潜み続けてきたのか? 九郎は、仲間たちとの出会いと別れ、そして予想もしなかった裏切りを経験しながら、巨大な陰謀の核心へと迫っていきます。学園という閉鎖された空間でのサスペンスフルな展開と、突如として始まる壮絶な「襲撃」シーンは、読者の心臓を鷲掴みにするでしょう。
(C)花沢健吾/講談社 (C)2025「アンダーニンジャ」製作委員会 のもと、緻密に練られたストーリーと、花沢健吾先生ならではの独特の画風が、この物語にさらに深みを与えています。シリアスなアクションシーンから、思わずクスリと笑ってしまうコメディ要素、そして人間の内面を深く描くドラマまで、多彩な要素が盛り込まれており、一度読み始めたら止まらない中毒性があります。
『アンダーニンジャ』は、単なる忍者アクション漫画ではありません。それは、現代社会に生きる人々の孤独や葛藤、そして己の存在意義を探し求める姿を描いた、深遠な人間ドラマでもあります。はたして九郎は、この壮大な忍務を成功させることができるのか? そして、「UN」の真の目的とは一体何なのか? あなたもぜひ、現代に生きる「アンダーニンジャ」たちの知られざる世界を覗いてみませんか?