【劇場版の衝撃】仮面ライダーガヴ お菓子の家の侵略者：闇菓子なき平和な世界に現れた、記憶喪失のもう一人のガヴ。過去と現在が交錯する中で、ショウマが挑む「カリエス」の野望。友情と希望が詰まった、感動的な冒険の物語。
誰も知らないもう一つの世界：友情と記憶が織りなす、甘く切ないヒーローの物語
私たちにとって、「仮面ライダーガヴ」は、おいしいお菓子と希望を守るヒーローの象徴です。しかし、そのショウマが、テレビシリーズではありえない、全く別の運命を辿ったらどうなるでしょうか？ 映画『仮面ライダーガヴ お菓子の家の侵略者』は、そんなifの世界を舞台に、友情、記憶、そして戦うことの意味を深く問いかける、劇場版ならではの感動巨編です。
物語は、ショウマと幸果の前に突如現れた謎の扉から始まります。この扉に引きずり込まれたショウマがたどり着いたのは、恐ろしい闇菓子が存在しない、一見平和なパラレルワールドでした。この設定は、観客である私たちに、「もし、あの脅威が最初から存在しなかったら？」という、夢のような可能性を提示します。
しかし、その世界にも、ショウマの職場である「はぴぱれ」は存在しました。そして、そこで働いていたのは、なんとガヴの力を持つ「タオリン」という名の青年。しかし、彼には自分の過去に関する記憶が一切ありません。ショウマが本来の自分の世界から離れてしまうという不安を抱えながらも、目の前の「記憶を失った、もう一人の自分」とも言うべきタオリンを助けようと、協力し始める姿には、ヒーローとしての深い優しさを感じ、胸を打たれます。
平和に見えたこの世界は、カリエスと名乗る謎の男の登場によって一変します。カリエスは町を無差別に攻撃し始め、無邪気で穏やかだった日常を破壊していきます。平和を守るため、そしてタオリンの記憶を取り戻すため、ショウマとタオリンは共に奮闘します。この二人のガヴが力を合わせる姿は、ファンにとって胸が高鳴る最高の共闘シーンとなるでしょう。異なる世界から来た二人が、目的は違えど、目の前の悪に立ち向かうその姿に、私たちは「正義」という普遍的な感動を覚えます。
二人が奮闘の末にたどり着いたのは、巨大な「お菓子の家」。このおとぎ話のような場所が、実は事件の核心であるという展開は、ワクワク感を高めます。しかし、全てを理解しようとした矢先、カリエスは未知のゴチゾウで変身を遂げ、ショウマたちを絶体絶命の窮地に追い込みます。この「希望が見えた直後の絶望」こそが、劇場版特有の熱いドラマを生み出します。
この映画は、自分は何者なのか、誰のために戦うのか、という普遍的なテーマを、ヒーローアクションの中で見事に描いています。ショウマとタオリンの二人の「ガヴ」が、記憶、友情、そして世界を救うために力を振り絞る姿は、私たちに困難な状況でも諦めない「希望の力」を教えてくれるでしょう。