岸辺露伴、ヴェネツィアに降り立つ。幸福という名の呪い…大人気スピンオフ『岸辺露伴は動かない』最新作『懺悔室』。読めばハマる、恐怖とミステリーの融合!ファン必見、シリーズ最高傑作との呼び声も高い一冊。

「世の中には、まだ知らない謎が満ちている」。そう語る男、それが、私たちの好奇心を常に掻き立てる孤高の漫画家、岸辺露伴です。大人気スピンオフシリーズ『岸辺露伴は動かない』の最新作『懺悔室』は、彼が新たな「奇妙な出来事」に遭遇する、ゾクゾクするような物語です。

物語の舞台は、水の都ヴェネツィア。露伴は新作の取材のため、歴史ある教会を訪れます。そこで偶然、懺悔室から漏れ聞こえる奇妙な告白に耳を傾けてしまうのです。仮面を被った男が語るのは、誤って浮浪者を殺してしまった過去、そしてその罪によってかけられた「幸せの絶頂の時に“絶望”を味わう」という恐ろしい呪い。

露伴は、その奇妙な告白に、漫画家としての探求心をくすぐられます。彼は、相手を本にして、その記憶や体験を読み解くことができる自身の特殊能力「ヘブンズ・ドアー」を使って、男の懺悔の真実を暴こうとします。しかし、露伴が知れば知るほど、この物語は単なる懺悔話ではないことに気づかされます。

この物語の最大の魅力は、現実と非現実が織りなす、独特の不気味な世界観です。ヴェネツィアの美しい街並み、静寂に包まれた教会、そして仮面を被った謎の男。それらが絡み合い、読者を徐々に「恐怖」と「ミステリー」の世界へと引き込んでいきます。特に、露伴が「ヘブンズ・ドアー」を使い、男の記憶を読み解くシーンは、まるで私たちが露伴の視点を通して、秘密の過去を覗き見しているかのような、背筋が凍るような感覚を味わえます。

そして物語は、さらに意外な展開を迎えます。露伴は、男の告白と向き合ううちに、この「幸福という名の呪い」が、やがて自分自身にも降りかかっていることに気づくのです。常に冷静沈着な露伴が、初めて自分の存在を脅かすような超常現象に直面する姿は、シリーズファンにとって見逃せないポイントです。彼の知性と特殊能力が、この不可解な呪いに対してどう立ち向かうのか。その答えを探す旅が、今、始まります。

岸辺露伴は動かない 懺悔室』は、サスペンス、ホラー、そしてミステリーが絶妙にブレンドされた、まさに読者を虜にする傑作です。露伴ファンはもちろん、まだ露伴の世界に触れたことがない人にも、この一冊から読み始めてみてはいかがでしょうか。きっと、あなたも「この岸辺露伴は動かない」の世界から抜け出せなくなるでしょう。