実在のデザイナー・コシノ三姉妹の母をモデルにした感動実話!大正生まれのヒロインが、女性が自立する道を探し、激動の時代を駆け抜ける。ミシンひとつで人生を切り開いた「大阪のおかあちゃん」の物語。
「女にしかできん商売やあらへん!」
大正2年生まれのヒロイン、小原糸子。彼女の人生は、当時としては珍しい、洋服への情熱から始まった。
舞台は、大阪の「だんじり祭り」で知られる、活気あふれる街・岸和田。呉服商の娘として生まれた糸子は、着物でなく、流行の最先端である洋服に憧れを抱く。
父に反対されながらも、ミシンひとつで洋装店を開業。22歳で結婚するも、夫は戦争で命を落としてしまう。しかし、彼女は悲しみに打ちひしがれることなく、女手ひとつで3人の娘たちを育て上げた。そして、その娘たちは、やがて世界で活躍するデザイナーへと成長していく。
これは、日本のファッション界を牽引したコシノ三姉妹の母、小篠綾子をモデルに、激動の時代を強く、そしてたくましく生きた一人の女性の物語である。
激動の時代を駆け抜けた、ひとりの女性の生き様
『カーネーション』の最大の魅力は、ヒロイン・糸子の揺るぎない情熱と、その強烈な個性です。常に好奇心旺盛で、時に向こう見ずな行動もするが、彼女の行動の原動力は、洋服への純粋な愛と、家族への深い愛情。
大正、昭和、平成と、時代が大きく変化していく中で、糸子は常に時代の最先端を走り続けます。女性が働くことすら珍しかった時代に、彼女は自らの手で仕事を作り出し、生きる道を切り開いていきました。
戦争という悲劇、夫との別れ、そして女手一つでの子育て。数々の困難が彼女を襲うが、糸子は決して下を向かない。どんな苦難にもユーモアで立ち向かう、そのたくましい姿は、観る者に大きな勇気を与えます。
誰もが共感する、母と娘の温かい絆
物語の中心には、糸子と三人の娘たちとの関係が描かれています。
デザイナーとして成長していく娘たちと、その夢を応援し、時には厳しく、時には優しく見守る母・糸子。母の背中を見て育った娘たちが、それぞれの才能を開花させていく様子は、多くの人々の心を打ちます。
特に、糸子が娘たちのために、自分の夢を託していく姿は感動的です。彼女の人生は、娘たちという「花」を育てるための「カーネーション」そのもの。このドラマは、女性の自立と同時に、母と娘の深い愛と絆を、温かく、そして力強く描いています。
ファッションの歴史を、ドラマで体感する
『カーネーション』は、単なるヒューマンドラマにとどまりません。日本のファッションの歴史を、糸子の人生を通して垣間見ることができます。
大正時代の洋服への憧れから始まり、戦後の闇市での服作り、そして高度経済成長期を経て、オートクチュールへと発展していく。時代と共に変化するファッションの流行が、ドラマの背景として緻密に描かれており、ファッション好きにはたまらない魅力となっています。
『カーネーション』は、夢を追いかけることの素晴らしさ、家族の温かさ、そして何よりも、一人の人間が力強く生きる姿を描いた、心揺さぶる傑作です。その感動とエネルギーを、ぜひあなたの目で確かめてください。