「鬼は、俺の中にいた。」桃太郎の末裔が鬼を討つ世界で、自分が鬼の血を引くと知った少年。鬼殺の闇を抱えながらも、運命に抗うダークヒーロー鬼譚。新世代の戦いが、今、始まる!
昔々、鬼は静かに暮らしていました。しかし、そこに桃太郎が攻め入り、鬼を滅ぼした、という物語を私たちは知っています。しかし、その物語には、続きがありました。
『桃源暗鬼』は、そんな昔話の裏側に隠された、壮絶な戦いの歴史を描く、新世代のダークヒーロー鬼譚です。この世界では、「鬼」と「桃太郎」の血が、一部の人間に脈々と受け継がれていました。桃太郎の血を引く者は「桃太郎機関」を、鬼の血を引く者は「鬼機関」を組織し、何千年もの間、互いを滅ぼすために戦い続けてきたのです。
物語は、ごく普通の高校生として暮らしていた主人公・一ノ瀬四季(いちのせ しき)が、突然の「桃太郎」からの襲撃を受けるところから始まります。その襲撃によって、彼は初めて、自分が「鬼の血を継いでいる」という、衝撃的な真実を知ります。そして、自らの血に棲む“鬼”と出逢った四季は、その宿命に抗うため、鬼機関の一員として、桃太郎たちとの戦いに身を投じることを決意します。
この作品の最大の魅力は、「鬼」を主人公にした、これまでにないダークな世界観にあります。私たちはこれまで、桃太郎を正義のヒーローとして見てきました。しかし、この物語では、桃太郎こそが「鬼を滅ぼす」という大義名分のもと、鬼たちを一方的に攻撃する存在として描かれます。そして、鬼たちは、自らの凶暴性を自覚しながらも、ひっそりと生きてきた、哀しい存在として描かれます。この善悪の逆転した世界観が、読者の心を強く惹きつけます。
また、登場人物たちの圧倒的な個性と、その人間らしい葛藤も、この作品の大きな魅力です。主人公の四季は、鬼の力を手に入れながらも、その凶暴性に戸惑い、人間らしさを失わないように葛藤します。そして、彼を支える仲間たちも、それぞれに深い過去を背負い、桃太郎との戦いに挑みます。彼らが互いにぶつかり合い、そして固い絆で結ばれていく様子は、読者の心を熱くさせます。
迫力満点のアクションシーンも、この作品を語る上で欠かせません。鬼の力を解放した四季が、桃太郎の末裔たちと繰り広げる壮絶なバトルは、ページをめくる手が止まらなくなるほどの興奮を呼び起こします。それぞれのキャラクターが持つ特殊な能力や、戦略を駆使した戦いは、読者を釘付けにするでしょう。
『桃源暗鬼』は、単なるバトル漫画ではありません。それは、自らの「宿命」と向き合い、大切なものを守るために戦う、若者たちの成長の物語です。この物語を読み終えた後、あなたは、「正義」とは何か、「悪」とは何か、そして、「本当の強さ」とは何かを、改めて考えさせられるはずです。
さあ、あなたも四季と一緒に、鬼と桃太郎が戦う、新時代の物語を体験してみませんか?