レイアウトは期日までに 契約を切られた崖っぷちデザイナー × 毀誉褒貶激しい天才装丁家 同い年27歳、凸凹の二人が新大久保に事務所を設立 最強パートナー爆誕⁈職を失った赤池めぐみが就職したのは、天才、気まぐれと噂話の絶えない業界の有名人・桐生青のところ

深夜の新大久保。都会の喧騒に紛れて、ひっそりと佇む小さなデザイン事務所。その扉をそっと開けると、壁一面に貼られた古びたポスターや、色褪せた雑誌の切り抜きが、ここがただのオフィスではないことを物語っていた。

ここで働くのは、かつて契約を切られ、絶望の淵に立たされた若きブックデザイナー、赤池めぐみ。彼女は、夢と現実の狭間で、何とか自分のデザイン魂を取り戻そうとしていた。そんなある日、運命の出会いが訪れる。

「めぐみ、君ならまだやれる。」
鋭い眼差しとともに現れたのは、噂の天才装丁家、桐生青。彼は、業界でも一目置かれる存在でありながら、常識にとらわれず自由奔放な発想で、数々の名作の表紙を生み出してきた。憧れと畏怖を抱いていためぐみは、彼の元で働くチャンスを掴むことになる。

しかし、現実は厳しかった。机もパソコンもない、雑然としたオフィス。編集者からの催促が鳴り響く中、二人は無数の修正指示に追われながらも、次第に互いの才能と情熱を認め合っていく。桐生青の気まぐれなアドバイスと、めぐみのひたむきな努力が交錯する日々は、まるで一枚の美しいレイアウトが期日までに完成するかのような、緊迫したドラマそのものだった。

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この物語――『レイアウトは期日までに』は、契約を失いながらも諦めず、再び自分自身の居場所を探し出す若きデザイナーと、己の美意識を突き詰める天才装丁家の、波乱万丈のお仕事バディ小説である。碧野圭が描くこの作品は、デザイン業界の裏側に潜む苦悩と情熱、そして二人が互いに成長していく姿を、リアルかつ温かみのある筆致で表現している。

新大久保の小さな事務所で、未来への一歩を踏み出す二人の姿は、読者に「自分にもできる」という希望と、仕事に対する真摯な向き合い方を教えてくれる。デザインという芸術と現実の狭間で揺れ動く、彼らの物語に、あなたも心を奪われるだろう。