光のとこにいてね。本屋大賞ノミネートの感動作をAudible完全版で。一穂ミチが描く、結ばれることのない二人の魂が共鳴し合う四半世紀の記録。豪華声優の朗読が孤独を包み込む、美しく切ない愛と友情の物語。

団地の古びた一室で出会った、対照的な境遇に置かれた二人の少女、結珠と果遠。育ちも性格も異なる彼女たちを結びつけたのは、言葉にするにはあまりに幼く、けれど何物にも代えがたい「自分たちだけの光」でした。本作がAudibleという形をとることで、読者は二人の息遣いや、時代の移ろいと共に変わっていく声のトーンをダイレクトに感じることになります。少女期の危うい純粋さ、思春期の鋭い痛み、そして大人になってからの諦念と渇望。実力派の朗読者によって吹き込まれた命の声は、紙の上の文字以上に鮮烈な色彩を持って、私たちの脳裏にあの夏の光景を焼き付けます。
この物語の真髄は、誰にも理解されずとも、ただ一人だけが自分を完成させてくれるという、魂の片割れを探し続ける切実さにあります。親の期待、社会の常識、埋められない格差。そんな無慈悲な現実の壁に阻まれ、二人は何度も離れ、そして引き寄せられていきます。Audibleで聴くことで、彼女たちの独白は視聴者自身の内面的な記憶と共鳴し、かつて自分だけが知っていた「秘密の場所」を思い出させてくれます。目を閉じれば、そこには彼女たちが守り抜こうとした、ひっそりと、けれど強く輝く光の場所が浮かび上がり、孤独な夜に深い安らぎをもたらしてくれるでしょう。
私自身、この作品を耳で聴き終えたとき、胸が締め付けられるような感傷と共に、深い浄化を感じずにはいられませんでした。結珠と果遠が互いを呼ぶ声、その一言に込められた幾年もの想いの重さが、声の演技によってこれ以上ないほど雄弁に語られていたからです。これほどまでに他者を求め、その存在を光として生きていくことの美しさと過酷さ。それは、効率や正論ばかりが求められる現代において、私たちが忘れかけていた「真実の情熱」を呼び覚ましてくれます。移動中や眠りにつく前の静寂の中で、これほどまでに深く他者の人生に没入できる体験は、他にはありません。
出会いと別れを繰り返し、それでもなお、互いのいる場所を「光」と信じ続ける二人の旅路。その軌跡を、声という絆で繋がれたこのAudible版は、優しく、けれど強く並走してくれます。
これは、かつて子供だった、そして今を戦い続けるすべての大人たちに贈る、愛の聖域の物語です。最後の一節が消え入るまで、あなたは彼女たちと共に歩み、愛し、そして本当の居場所の意味を知ることになるでしょう。魂を震わせるこの至高の対話を、今すぐあなたの耳で、心で、受け止めてみませんか。






















