【感動の名盤】芥川也寸志と新交響楽団が贈る、魂震えるチャイコフスキー三大交響曲!生誕100周年記念、不滅の”愛”と”情熱”が詰まった奇跡のライヴ録音!

芥川也寸志が愛したチャイコフスキー:新交響楽団との熱き軌跡が甦る

作曲家として、そして指揮者として日本のクラシック音楽界を牽引した巨匠、芥川也寸志(あくたがわ やすし)。彼が創立し、熱い情熱をもって育て上げた新交響楽団(新響)との長年の活動は、日本のオーケストラ史において金字塔と言えるでしょう。この度リリースされたCD、TBRCD0176/78は、その中でも芥川が最も愛した作曲家の一人、チャイコフスキーの三大交響曲(第4番、第5番、第6番「悲愴」)を収録した、まさに待望の集成です。

この3枚組CDは、1973年から1985年にかけてのライヴ録音を収めており、芥川の指揮者としての「愛の塊」とも評される音楽づくりを、生々しい臨場感とともに伝えてくれます。特に注目すべきは、第4番がデジタル録音で残されている点。クリアな音質で、芥川特有の「曖昧さ皆無!江戸っ子気質で押し通した熱いアプローチ!」が鮮明に感じられます。

初めてこの録音を聴いた時の感想は、ただただ「胸を打つ」の一言でした。特に新交響楽団の演奏からは、代償を求めず、ただひたすらに音楽を愛するアマチュア・オーケストラだからこそなし得る、純粋で濃密な響きが溢れています。プロの演奏ではなかなか聴けない、音を愛おしむかのような歌い回し、感情の深い振幅が、チャイコフスキーの描く劇的な世界観を、よりパーソナルで情熱的なものに昇華させています。

例えば、交響曲第5番の第2楽章のあの有名なホルンのメロディ。新響の奏でる音色は、技術的な完璧さ以上に、深いロマンの薫りと、音楽へのひたむきな「愛」が感じられ、思わず涙腺が緩んでしまいます。また、第5番には貴重なリハーサル風景も収録されており、指揮者・芥川也寸志の音楽にかける真摯で情熱的な姿勢を垣間見ることができるのも、ファンにとってはたまらない魅力でしょう。

さらに、このアルバムを特別なものにしているのが、芥川自身が「最も愛する曲」と公言していた歌曲「ただ憧れを知る者だけが」の芥川自身による管弦楽編曲版が、第4番のアンコールとして収録されていることです。これはまさに絶美の演奏。チャイコフスキーへの深い敬愛と、芥川の持つ音楽的センスが融合した、このCDのハイライトと言えるでしょう。

「悲愴」の第6番、そしてカップリングの「イタリア奇想曲」に至るまで、全編を通じて一貫しているのは、「情熱」と「魂」。新交響楽団を産み、育て、愛した芥川也寸志の生誕100周年を記念するにふさわしい、日本のクラシック史における金字塔です。単なる音源の復刻ではなく、偉大な指揮者の不滅の精神が刻まれた、必聴の名盤と言えます。清道洋一氏による愛情溢れるライナーノートも必読。この熱き感動を、ぜひ多くのクラシックファンに体験してほしいと思います。