笑いと感動が激突する幕末の大騒動:万事屋と真選組が将軍を巻き込む巨大な陰謀に挑む。鬼の副長の二重人格、存亡を賭けた内紛劇!銀時の魂の咆哮を見逃すな。

「掟は破るためにこそある」という挑戦的なタイトルを掲げた映画『銀魂2』は、空知英秋氏が生み出した唯一無二の世界観を、最大級のスケールで映像化した傑作です。地球人と宇宙人・天人(あまんと)が共に暮らす幕末の江戸、かぶき町というカオスな舞台で、笑いとシリアス、そしてアクションが完璧なバランスで融合しています。

物語は、金欠にあえぐ《万事屋(よろずや)》銀時、新八神楽が、時の征夷大将軍・徳川茂茂を接待するという予測不能なミッションに巻き込まれるコミカルな導入から始まります。この将軍を巡る騒動だけでも、銀魂らしい抱腹絶倒のギャグ満載なのですが、物語はこれだけで終わらないのがこの作品の真骨頂です。

時を同じくして、真選組鬼の副長として恐れられる土方十四郎異変が起こります。攘夷浪士に囲まれた土方が、剣を抜く代わりに土下座し、アキバ系オタクの「トッシー」という2の人格ヘタレ化してしまうという前代未聞の事態。この土方の変貌を軸に、真選組内部では存亡をかけた内紛劇が巻き起こります。ギャグ描写滑稽さと、組織の崩壊というシリアスな危機並行して描かれることで、観客の感情激しく揺さぶられます

私がこの作品に特に心を打たれたのは、この内紛劇将軍をも巻き込む巨大な陰謀へと繋がっていく際のドラマの熱量です。仲間同士激しい衝突の背景には、彼らが守りたい「掟」と「誇り」があります。おふざけの裏に隠された彼らの真摯な思いが明らかになる時、物語は一気にシリアスな戦闘モードへと突入します。

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そして、最大の危機に直面した時、万事屋、特に坂田銀時の「生き様」炸裂します。普段はだらしない銀時が、大切な仲間や守るべきもののために真剣な表情を見せ、刀を振るうシーンの迫力感動は、筆舌に尽くしがたいものがあります。「掟」「組織」といった形式ではなく、己の魂が信じるもののために立ち向かう彼の姿は、観る者の心を深く抉ります。

笑いすぎて涙が出るかと思えば、次の瞬間には熱い展開魂が震える。この唯一無二のジェットコースターのような体験こそが、『銀魂2』の魅力の全てです。最大の危機に、銀時いかに立ち向かうのか。その「掟破り」魂の咆哮を、見逃すことはできません