「家事労働」の価値を資本主義の根源から問い直す衝撃の書! 主婦目線でマルクスの『資本論』を読み解き、 無償労働の過去・現在・未来を分析する、 全ての働く女性と男性必読の画期的な経済論

毎日続く、名もなき家事労働。それは、家族の生活を支える不可欠な活動でありながら、経済的な価値としてカウントされることはありません。この「無償の労働」が、現代社会の資本主義のシステムの中で、どのように位置づけられ、搾取されているのか——その根源的な問いに、真正面から挑んだのが、本書「主婦である私がマルクスの『資本論』を読んだら」です。

著者は、一人の主婦としての視点を持ちながら、マルクスの『資本論』を含む15冊もの関連書籍を深く読み解き、家事労働という私的な領域と、資本主義という公的なシステムとの間に存在する、誰も語ってこなかった壮大な繋がりを鮮やかに解き明かします。

私がこの本を読んで最も衝撃を受けたのは、家事労働が「労働」として認識されないことの構造的な問題を、マルクスの「価値」や「搾取」といった厳密な経済概念を用いて分析している点です。著者によると、無償の家事労働は、労働者(主に男性)が翌日も再生産可能となる「再生産労働」を担っており、資本家はそのコストを支払うことなく、この労働力を間接的に享受していることになります。この指摘は、私たち主婦や主夫が日々行っている活動が、いかに巨大な経済システムを支える土台となっているかを、痛切に、そして明確に教えてくれます。

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この書籍は、単なるアカデミックな評論ではありません。家事労働の過去の歴史的変遷をたどりながら、現代の共働き世帯における時間とジェンダーの不平等、そしてAIやテクノロジーが家事にもたらす未来の可能性までを考察しています。特に、家事の「生産性」や「効率化」が求められる現代において、家事労働の本質的な価値をどう守り、どう評価していくべきかという具体的な提言は、全ての読者にとって喫緊の課題として響くでしょう。

この本は、私たち自身の日常の努力が、決して「タダ」ではないという事実を、確固たる理論で裏付けてくれます。それは、家事を担う人々に、自信と、自らの労働に対する正当なプライドを与えてくれるでしょう。

本書は、家事労働の経済的、社会的な意味を深く理解し、資本主義社会における「働くこと」の真の価値を見つめ直したい全ての人、そして、より公平で持続可能な社会の実現を願う全ての人に、心からお勧めしたい、時代の転換点となる一冊です。