Audible版「鬼の花嫁　新婚編三～消えたあやかしの本能～」物語：「鬼の花嫁　新婚編三～消えたあやかしの本能～」の謎を追え新婚旅行を終え、玲夜の隣で眠りについたはずの柚子。でも目覚めたときには横に玲夜はおらず、まったく違う場所にいた。

都内の小さな書店「月影堂」でアルバイトをしている大学生・遥（はるか）は、ある日、店主から奇妙な依頼を受けた。

「この本を探してほしいんだ――『鬼の花嫁新婚編三～消えたあやかしの本能～』のAudible版をね。」

店主の話によると、数日前まで確かにそのオーディオブックは聴けたのに、ある日突然、どこからも消えてしまったという。ネットで検索しても情報はほとんどなく、まるで最初から存在しなかったかのようだった。

「……これは何かの呪いかもしれないね。」

店主は冗談めかして言ったが、遥はなぜか背筋が寒くなった。

遥はさっそく調査を開始した。オーディオブックの配信元や出版社に問い合わせたが、「その作品は元々配信されていません」と返されるばかり。そんなはずはない。実際に聴いたという証言もあるのに……。

そんな中、遥のもとに一通の匿名メッセージが届く。

「鬼の本能が消えたのは、ある“誓い”が破られたからだ。」

まるで物語の中のような言葉に戸惑う遥。しかし、それがきっかけで彼女は「鬼の花嫁」シリーズの内容を深く知ることになる。

――「鬼の花嫁」こと主人公の千尋（ちひろ）は、鬼の当主・暁月（あかつき）と結ばれ、新婚生活を送っていた。しかし、鬼たちの本能が次々と消えていくという異変が起こる。“あやかし”である彼らが、本来持つべき力を失ってしまうのだ。

それは、鬼と人間の関係にまつわる“古き誓い”が破られたことに起因するらしい。そしてその誓いを知る唯一の手がかりが、Audible版の「新婚編三」に隠されているというのだ……。

遥はこの情報を頼りに、オーディオブックの過去のデータを調査するうち、ある不可解な事実を発見する。

配信されていたはずの音声ファイルが、一部“誰か”によって改ざんされ、消去されている――

その削除された部分には、鬼たちの力を封じる「誓いの真実」が語られていたのではないか？

さらに調べるうちに、遥は「鬼の花嫁」のモデルとなった実在の伝説があることを知る。それは、江戸時代に語られた鬼の当主と人間の娘の悲恋。彼らの結末にこそ、鬼の本能が消えた理由が隠されているのかもしれない……。

ついに遥は、一人の謎めいた声優・椎名蓮（しいなれん）にたどり着く。彼は「鬼の花嫁」シリーズのナレーターの一人であり、問題の「新婚編三」にも関わっていた。

彼に直接会い、消えたオーディオブックの謎を問いただすと、蓮は静かに告げた。

「この物語は、ただのフィクションではない。鬼の当主・暁月と千尋の誓いが、現実世界にも影響を与えてしまったんだ。」

蓮の話によれば、物語の中の誓いが破られることで、鬼たちの本能が消えるだけでなく、現実のオーディオブックのデータまで消失するという現象が起きていたのだという。

「もし本当の結末を知りたければ……物語の続きを“聴く”しかない。」

遥は決意する。どんな方法を使ってでも、消えたAudible版を取り戻し、物語の結末を明らかにするのだと――。

遥の冒険はまだ終わらない。
そして、この物語を読んだあなたも、消えたオーディオブックの真実を知る“証人”の一人なのかもしれない。

「鬼の花嫁　新婚編三～消えたあやかしの本能～」――その真実を、ぜひあなたの耳で確かめてほしい。